2007年7月4日水曜日

07/07/04の解答

問題はここ

解答
rをなる任意の実数とする.
このとき0を中心とする開円盤は単位開円盤に含まれる.
f(z)は単位開円盤で正則なので,f(z)を開円盤でテイラー展開できる.
f(z)のテイラー展開をとする.
仮定より任意の正整数kに対してなので,
が成り立つ.
特にk=1のとき,
なので,を得る.
次にk=2のとき,
なので,を得る.
これをk=3,4,5,…と繰り返すことにより,任意のk≧0に対してを得る.
したがってf(z)は開円盤で0に等しい.
ここでrはなる任意の実数なので,f(z)は単位開円盤で0に等しい.

正則関数の性質

問題 複素平面内の単位開円盤|z|<1で正則な関数f(z)が,
全ての正整数kに対してを満たせば,
f(z)は単位開円盤|z|<1で定数0に等しいことを示せ.

07/07/03の解答

問題はここ

解答

が二次無理数とであると仮定すると,なる整数が存在して
が成り立つ.このときであり,
なので,



が成り立つ.ここで三角不等式より,



この各辺にを乗じて



を得る.ここで,



であるので,が成り立ち,
はさみうちの原理よりが成り立つ.
よって,に対してある自然数が存在して,
なる任意の自然数に対してが成り立つ.
また,任意のに対しては整数なので,
なる任意の自然数に対してが成り立つ.

のときなので,
すなわち,



が成り立つ.ここでは整数なので,
を割り切る.
これがなる任意の自然数に対して成り立つので
を得る.
が奇数のときはが偶数のときはなので,
この2つの式を連立させてを得るが,
これはに反する.
したがっては二次無理数ではない.