2007年4月23日月曜日

部分群と生成系

問題 Sを群Gの空でない部分集合とする.
(1) Sによって生成されるGの部分群Hは,
Sを含むGの最小の部分群であることを示せ.
(2) Gを有限群,SをGの生成系の1つであるとする.
Gの任意の元はSの有限個の元の積で表せることを示せ.

1 件のコメント:

yosuke さんのコメント...

(1)S^(-1)={x^(-1)|x∈S}とすれば、定義より
H={x[1]*x[2]*・・・*x[n]|x[i]∈S∪S^(-1)}
と表せる。HがGの部分群であることは明らかである。
Sを含むGの任意の部分群をKとする。
∀x∈Hとすれば、∃x[1],x[2],・・・,x[n]∈S∪S^(-1)
s.t. x=x[1]*x[2]*・・・*x[n]
である。いまKはSを含むGの部分群だから、
各x[i]はKの元となる。したがってx∈Kである。
以上よりH⊂Kが示せた。ここで、KはSを含むGの任意の部分群なので、
HはSを含むGの最小の部分群であることが示せた。

(2)|G|=m<∞とする。
HをSの元の有限個の積全体とすれば定義よりS⊂H⊂Gである。
(1)よりGはSを含む最小の部分群なので、
HがGの部分群であることを示せればH=Gとなり題意が示せる。
HがGの部分群であることを示す。
Hは積に関して閉じているのでHの任意の元が逆元を持つことを示せば良い。
∀x∈Hとする。x=1のときは明らかにx^(-1)∈Hであるのでx≠1とする。
ここでm+1個のHの元
x,x^2,x^3,・・・,x^m,x^(m+1)
を考える。|H|≦mであるから、鳩ノ巣原理より、
上で与えたm+1個の元の内、少なくとも2つは一致する。
その2つの元をp>q>0なる整数p,qを用いてx^p,x^qと表す。
このときx^p=x^qであるからx^(p-q-1)=x^(-1)である。
いまはx≠1よりp-q-1≠0でかつp-q-1≧0であるからp-q-1>0。
したがってx^(p-q-1)∈H、すなわちx^(-1)∈Hが成り立つ。
以上よりHはGの部分群であることが示せた。