一日一問、数学の問題を出題します。 コツコツ解いて数学に親しみましょう。
(1)S^(-1)={x^(-1)|x∈S}とすれば、定義よりH={x[1]*x[2]*・・・*x[n]|x[i]∈S∪S^(-1)}と表せる。HがGの部分群であることは明らかである。Sを含むGの任意の部分群をKとする。∀x∈Hとすれば、∃x[1],x[2],・・・,x[n]∈S∪S^(-1)s.t. x=x[1]*x[2]*・・・*x[n]である。いまKはSを含むGの部分群だから、各x[i]はKの元となる。したがってx∈Kである。以上よりH⊂Kが示せた。ここで、KはSを含むGの任意の部分群なので、HはSを含むGの最小の部分群であることが示せた。(2)|G|=m<∞とする。HをSの元の有限個の積全体とすれば定義よりS⊂H⊂Gである。(1)よりGはSを含む最小の部分群なので、HがGの部分群であることを示せればH=Gとなり題意が示せる。HがGの部分群であることを示す。Hは積に関して閉じているのでHの任意の元が逆元を持つことを示せば良い。∀x∈Hとする。x=1のときは明らかにx^(-1)∈Hであるのでx≠1とする。ここでm+1個のHの元x,x^2,x^3,・・・,x^m,x^(m+1)を考える。|H|≦mであるから、鳩ノ巣原理より、上で与えたm+1個の元の内、少なくとも2つは一致する。その2つの元をp>q>0なる整数p,qを用いてx^p,x^qと表す。このときx^p=x^qであるからx^(p-q-1)=x^(-1)である。いまはx≠1よりp-q-1≠0でかつp-q-1≧0であるからp-q-1>0。したがってx^(p-q-1)∈H、すなわちx^(-1)∈Hが成り立つ。以上よりHはGの部分群であることが示せた。
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(1)S^(-1)={x^(-1)|x∈S}とすれば、定義より
H={x[1]*x[2]*・・・*x[n]|x[i]∈S∪S^(-1)}
と表せる。HがGの部分群であることは明らかである。
Sを含むGの任意の部分群をKとする。
∀x∈Hとすれば、∃x[1],x[2],・・・,x[n]∈S∪S^(-1)
s.t. x=x[1]*x[2]*・・・*x[n]
である。いまKはSを含むGの部分群だから、
各x[i]はKの元となる。したがってx∈Kである。
以上よりH⊂Kが示せた。ここで、KはSを含むGの任意の部分群なので、
HはSを含むGの最小の部分群であることが示せた。
(2)|G|=m<∞とする。
HをSの元の有限個の積全体とすれば定義よりS⊂H⊂Gである。
(1)よりGはSを含む最小の部分群なので、
HがGの部分群であることを示せればH=Gとなり題意が示せる。
HがGの部分群であることを示す。
Hは積に関して閉じているのでHの任意の元が逆元を持つことを示せば良い。
∀x∈Hとする。x=1のときは明らかにx^(-1)∈Hであるのでx≠1とする。
ここでm+1個のHの元
x,x^2,x^3,・・・,x^m,x^(m+1)
を考える。|H|≦mであるから、鳩ノ巣原理より、
上で与えたm+1個の元の内、少なくとも2つは一致する。
その2つの元をp>q>0なる整数p,qを用いてx^p,x^qと表す。
このときx^p=x^qであるからx^(p-q-1)=x^(-1)である。
いまはx≠1よりp-q-1≠0でかつp-q-1≧0であるからp-q-1>0。
したがってx^(p-q-1)∈H、すなわちx^(-1)∈Hが成り立つ。
以上よりHはGの部分群であることが示せた。
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